Mac Mini M2 Pro で、UTAUをする

2023-02-12

こんにちは、0371です。
今回は、Mac Mini M2 Proを使用して、UTAUの録音、制作を行っていきたいと思います。

UTAUとは?

UTAUとは、歌声合成ソフトである。
UTAUとは (ウタウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

UTAUは、簡単に言えば「一般市民用ボーカロイド」です。 詳しくは上記のURLをご覧ください。

MacでUTAUをするのに必要なもの

必要なものを列挙していきます。

それぞれ簡単に説明していきます。

OpenUtau
OpenUtauは、歌声合成ソフトの本体です。

REAPER
REAPERは、DAWです。 今回は、音源収録アプリケーションとしての役割で使用します。

vLabeler
vLabelerは、音源設定のアプリケーションです。

これらを使用すれば、最低限のUTAU活動はできると思います。
あとは、別途DAWや動画制作アプリを用意すれば、一般的なUTAU活動ができると思います。

音源収録には、Akorinを使用したかったのですが、2023/02/12の時点では、最新バージョンのインストーラーがMacに対応していません。
Akorin

Mac: (Current app bundle is bugged. Releases will return when this is resolved, but mac users will have to build from source in the meantime.)

アプリをビルドしようと思ったのですが、ハマってしまってどうにもならなかったので、REAPERでの収録に断念しました。 その様子は最後のおまけに書こうと思います。

環境

念の為、自分の「Mac miniの情報」を下記に記載します。
M2 Proですので、Apple Silicon対応です。

~ sysctl machdep.cpu.brand_string
machdep.cpu.brand_string: Apple M2 Pro

~ /usr/sbin/system_profiler SPSoftwareDataType | grep "System Version"
      System Version: macOS 13.2 (22D49)

~ /usr/sbin/system_profiler SPSoftwareDataType | grep "Kernel Version"
      Kernel Version: Darwin 22.3.0

~ /usr/sbin/system_profiler SPHardwareDataType | grep Memory
      Memory: 16 GB

/usr/sbin/system_profiler SPNVMeDataType | grep Capacity: | head -n 1
          Capacity: 500.28 GB (500,277,792,768 bytes)

各種インストール

先ほど列挙した順番にインストールしていきます。

OpenUtau

まずは、OpenUtauのgithubページにアクセスします。

OpenUtau

下にスクロースし、「Getting Started」の「DOWNLOAD MACOS-X64」ボタンをクリックします。
ダウンロードした「OpenUtau-osx-x64.dmg」を実行し、OpenUtauを「アプリケーション」にコピーします。

次に、ターミナルを開きます。
ターミナルってなに?という方は、「mac ターミナル 実行」で検索してください。

ターミナルを開いたら、下記のコマンドを実行します。

xattr -rc /Applications/OpenUtau.app

このコマンドの詳細は、OpenUtauのWikiに記載されているので、確認してください。

OpenUtau - macOS error "This app is damaged ..."

それでは、OpenUtauを実行する準備ができましたので、アプリケーションからOpenUtauを「右クリック」からの「開く」で実行してみてください。

うまくいかない場合は、エラーメッセージを翻訳したり、OpenUtauのDiscodeで質問したりしてみてください。

REAPER

REAPERをインストールします。
下記の記事が非常にわかりやすいので、参照してください。

その他必要なものは下記に記載します。(上記の参考記事内にも書いています。)

自分は、「New7moraV_リージョン.csv」と「Rock G.wav」を使用して収録をしました。
このような有志の方々のおかげで、日頃のUTAU活動ができていることに感謝しながら収録しましょう。

参考記事の通りに録音し、出力させます。

vLabeler

絶賛記述中、しばし待たれよ。

おまけ:Akorinについて

断念したAkorinのビルド方法です。

Akorin

Akorinのgithubページにアクセスします。

Akorin

2023/02/12の時点では、最新バージョンのインストーラーがMacに対応していません。

Mac: (Current app bundle is bugged. Releases will return when this is resolved, but mac users will have to build from source in the meantime.)

そのため、ターミナルを使用してソースからビルドをする必要があります。
ビルドに必要なものは以下の2つです。

次にブラウザからAkorinのgithubページにアクセス後、右側にある「Releases」の「Latest」になっているバージョンをクリックします。
「Assets」の中の「Source code(zip)」をクリックし、ダウンロードします。
(当記事では、Akorin-0.2.2.zipをダウンロードしています。)

次に、.NET 5.0をインストールします。

.NET 5.0は、MacOSのArm64に対応していないので、Rosetta2を使用します。
Rosetta2は、XCodeをインストールすると付いてきますので、以下のコマンドをターミナルで実行します。

xcode-select --install
exec $SHELL -l

.NET 5.0は、下記URLからダウンロードしてください。(直接リンクになります)
dotnet-sdk-5.0.408-osx-x64.pkg

次に、BASSをダウンロードします。
BASS
アクセスしたら、目立ちにくい右上のメニューバーの中の「MacOS」をクリックします。

ターミナルを開き、以下のコマンドを順番に実行します。

Akorin-0.2.2.zip、bass24-osx.zipの部分は、ご自身のダウンロードフォルダにDLされたzipファイル名に変えて実行してください。

では、実行していきます。

unzip ~/Downloads/akorin-0.2.2.zip
unzip ~/Downloads/bass24-osx.zip
cp -av ~/Downloads/bass24-osx/libbass.dylib ~/Downloads/akorin-0.2.2/Akorin/
cd ~/Downloads/akorin-0.2.2/Akorin
arch -x86_64 /usr/local/share/dotnet/x64/dotnet add package ereno.linux-x64.eugeneereno.System.Drawing
arch -x86_64 /usr/local/share/dotnet/x64/dotnet run

ここで、エラーが発生します。

Unhandled exception. System.TypeInitializationException: The type initializer for 'Gdip' threw an exception.
 ---> System.DllNotFoundException: Unable to load shared library 'libgdiplus' or one of its dependencies.

このエラーはlibgdiplusが無いよ!と言っているので、インストールしてみました。
しかし、うまくいきませんでした。

brew install mono-libgdiplus

ここのエラーで詰まってしまい、REAPERでの収録に切り替えることにしました。

おそらく、Akorinで使用されている「System.Drawing.Common NuGet パッケージ」というものが、MacOSをサポートしなくなってしまったからだと考えています。
System.Drawing.Common only supported on Windows

代替案としては、他のライブラリを使用してソースコードを再構築するしかないらしく、C# 及び .NETを使ったことがない自分は、ここで手詰まりになりました。
ここまでが、試してみたことになります。

最後に、ダウンロードしてきたものを削除していきます。

ダウンロードしたものを削除するコマンドは以下の通りです。
(ご自身の環境に合わせて、コマンドを修正してください。プログラマーの方であれば必要なものまで削除する恐れがあります。)

cd ~
sudo /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/dotnet/sdk/main/scripts/obtain/uninstall/dotnet-uninstall-pkgs.sh)"
sudo rm -r /etc/dotnet

sudo rm -rf /usr/local/share/dotnet
sudo rm -rf /etc/dotnet
sudo rm -rf ~/.dotnet

brew uninstall mono-libgdiplus fontconfig pcre2 gettext glib xorgproto libxau libxdmcp libxcb libx11 libxext libxrender lzo pixman cairo giflib jpeg-turbo libexif lz4 xz zstd libtiff fribidi graphite2 icu4c harfbuzz pango freetype libpng

あとは、Downloadフォルダにあるzipなどを削除してください。 これで、Akorin関係のものは綺麗になりました。

今日の一言

MacerのUTAU制作は茨の道である。